9.11が起きた当時を思い出してみると

 「貧困の終焉―2025年までに世界を変える」のなかで、ジェフリー・サックス氏は、9.11が起きたとき「第三次世界大戦の勃発だ」とか「武力制裁を行うべき」という世論の風潮が渦巻いていたことに危惧し、貧困の撲滅こそが紛争をなくす手段であることを訴え続けたと書いている。まったくそのとおりで、武力や経済制裁などの方法で相手を追い込んでも良い結果は生まれないと僕も思う。
 9.11をテレビで見たとき、僕は単純に、「へえー、こんなに簡単にビルが崩れてしまうんだ。」と感じた。そして、そういう事態が起こったときの対応方法(救助方法)が非常に難しいのだなとも感じた。もちろん、「なぜ?」とも思ったが、それよりもあんなに簡単にビルが崩壊する方が印象的だった。ある温度以上の温度がビルにかかると基礎部分がもたなくなる例をまざまざとみたからだろう。
 話はそれるが、今着々と増えている高層マンション群ではこうした構造上の問題点が解決されているのだろうか?
 現在行われている北朝鮮の六カ国協議でも、アメリカの基本的なスタンスは、当時と変わっていない。従って、北朝鮮問題も武力制裁ではないにしろ、経済制裁を継続する限り、問題は解決しないのではないかと思う。北朝鮮の政府に対する対応よりも、その政府に制御され、食べるものも食べれない状況に追い込まれている北朝鮮の人たちへの支援を国際援助団体や国連を使って強制的に行っていくなどの対策はとれないものだろうか。政府の無能さを北朝鮮の人たちに知らしめることが出来れば、そして、行動を起こせる体力と能力を与えれば、北朝鮮の人たち自身で国を変えることが出来るだろうし、それが、唯一の方法だと思う。