炭水化物

 高橋久仁子著『「食べものの神話」の落とし穴』からの引用。食品に関しての基礎資料をアップするのをさぼっていたので、今後追々ブログに追加していきたい。高橋久仁子先生の『「食べものの神話」の落とし穴』の序章は、以前掲載したので、本文を参考にしばらく掲載してゆくつもりである。まずは、炭水化物。

 (炭水化物は、)糖質もと呼ばれ、炭素、水素、酸素から構成されます。緑色植物が葉緑体で光エネルギーを利用し、炭酸ガス(二酸化炭素)と水から合成します(光合成)。
 ブドウ糖や果糖などは単糖類といいます。単糖類がに2〜10分子結合したものを少糖類(オリゴ糖)といいます。砂糖や麦芽糖、乳糖は単糖が二個結合した二糖類なのでオリゴ糖ということになりますが、一般には三糖類以上を指すことが多いようです。三糖類以上のオリゴ糖は、消化されずに大腸まで達し、大腸内に生息する細菌類に利用されるので、人によっては便通改善効果があります。デンプンおよびグリコーゲンは単糖類のブドウ糖が多数結合した多糖類です。炭水化物はほとんどが植物由来ですが、乳糖は哺乳動物の乳腺で、グリコーゲンは動物の肝臓や筋肉で生合成されます。
 炭水化物のうち、果物やハチミツに含まれるブドウ糖や果糖などの単糖類はそのまま吸収されますが、二糖類以上は消化されないと吸収されません。麦芽糖や砂糖、乳糖は小腸粘膜の上皮細胞に取り込まれながら、そこに存在する二糖類分解酵素によって構成する単糖類に分解されます。すなわち、麦芽糖はマルターゼによって二分子のブドウ糖に、砂糖はスクラーゼによってブドウ糖と果糖に、乳糖はラクターゼによってブドウ糖とガラクトースに分解されて吸収されます。デンプンはデンプン分解酵素・アミラーゼによって麦芽糖にまで分解された後、マルターゼによってブドウ糖になり血中に入り、肝臓に送られます。ブドウ糖はそのままエネルギー源として使われるほか、肝臓や筋肉でグリコーゲンに合成されたり脂肪に合成されたりします。炭水化物は1グラムにつき4キロカロリーを発生します。

 炭水化物は、単糖類と少糖類、そして多糖類に分類される。よく使われるオリゴ糖は、高橋先生の説明によると、多糖類を指していることになる。

 単糖類は、そのままでも、体に吸収される。ところが、二糖類以上になると酵素の力を借りて単糖類に分解してもらわないと吸収できない。麦芽糖はマルターゼという酵素によって舞踏糖に分解されてから吸収されるし、砂糖はスクラーゼという酵素によってブドウ糖と果糖に分解されて初めて吸収される。
 多糖類になると、もっと複雑になる。多糖類であるデンプンはデンプン分解酵素によって麦芽糖(二糖類)にまず分解される。そして、分解された麦芽糖をまた酵素によって、ブドウ糖に分解されて、初めて吸収されるのである。多糖類の場合、これを分解する酵素がないと分解されないまま、排出されることになる。セルロースは、人の消化酵素が分解できないため、人間の場合、吸収されずに排出される。草食動物では、これらを分解する酵素もしくは機構が備わっているのであろう。
 この、ある一定の大きさ(単糖類の大きさ)でないと、人間は腸内から吸収できないという機構は覚えておく必要がある。食べると危険といっているもののなかに、どう考えても人間が腸内で吸収できないそうもないものがあるからだ。非常に重合度の高いものは、人の腸内で、簡単には吸収されないのである。