希少金属の代用品研究へ、供給の安定化狙う

 18日の読売新聞の記事。

希少金属の代用品研究へ、供給の安定化狙う
 文部科学省は来年度から、インジウムやプラチナなどハイテク産業に不可欠な希少金属の代替材料研究に乗り出すことを決めた。
 これらの金属は輸入頼みで安定供給が保証されないことから、代替措置が必要と判断した。資源として豊富なアルミニウムやカルシウムを代用したり、希少金属の使用量を限界まで減らす技術を2015年までに実用化し、日本の産業競争力を強化する。
 希少金属インジウムは液晶パネルの材料に用いられている。また、プラチナは燃料電池タングステンは超硬工具に使うなど、日本がリードする先端技術で多く活用されている。
 これら希少金属は鉱物資源が特定国に偏在し生産も集中するため、資源国の国家政策が反映されやすい。例えば中国はタングステンの88%、インジウムの33%を生産しているが、経済発展に伴い輸出奨励から内需優先に方針転換した。
 文科省希少金属の供給が不安定化すれば、日本に影響が及ぶと判断。10種類程度の希少金属を対象に来年度から代替技術研究に乗り出す。
 文科省は先月、化学や材料研究の専門家による検討会を開催。インジウムが主な材料になっている液晶パネルの透明電極をカルシウムとアルミニウムの酸化物に代替させたり、燃料電池の触媒に使うプラチナの原子数万個を1原子に減らすなど、実現性の高い研究があることを確認している。
 計画では、公募で5テーマ程度を選定。1テーマ年2〜3億円で基礎研究を行う。経済産業省とも連携、安価で安定供給できる代替技術を完成させる。経産省の「新・国家エネルギー戦略」も代替材料開発を提言している。
(2006年6月18日14時26分 読売新聞)

 大量生産型商品に希少金属を使用するには無理がある。インジウムは、北海道の豊羽鉱山で国内生産されていたが、2006年3月31日をもって採掘を停止している(Wikipediaから)。シャープは2005年からインジウムのリサイクルを始めているらしい。しかし、できることであれば代替素材を検討すべきだ。
 燃料電池商品化は、20年から30年先になるのではないか。トヨタやホンダが実用化しているハイブリット式が次世代エンジンとなると思う。