出産扱わない「産婦人科」、病院・診療所の35%

 6月14日の読売新聞の記事。

出産扱わない「産婦人科」、病院・診療所の35%
 産科や産婦人科の看板を掲げている医療機関の中で、妊婦健診などを行うだけで実際には出産を扱っていない病院や診療所が3分の1以上に上るという実態が14日、日本産科婦人科学会の調査で明らかになった。
 調査は、同学会の検討委員会(委員長=吉川裕之・筑波大教授)が、産科医不足の実態把握などを目的に、各都道府県に設置されている地方部会を通じて昨年12月1日現在のデータをまとめた。
 それによると、産科や産婦人科を診療科目としている医療機関は、病院が1428施設、診療所が3312施設の計4740施設。このうち、妊婦健診は行っていたものの、出産を扱っていなかったのは、病院が148施設、診療所が1529施設の計1677施設で、その割合は35%に達した。診療所に限ると、46%が出産を扱っていなかったことになる。
 これにより、出産を扱う医療機関は、病院が1280施設、有床診療所が1783施設の計3063施設。これは、全国で出産を扱う医療機関は5000施設以上――としてきた厚生労働省や同委員会の推計を大きく下回っていた。
 また、常勤の産科医の数は7985人で、やはりこれまで1万1000人以上――とされてきた推計を約3000人下回った。
 今回の結果について、検討委委員長の吉川教授は「これまで出産を扱っていた診療所が、厳しい労働環境、少子化に伴う厳しい経営状況から出産の取り扱いをやめている。産科医の約3分の1が60歳以上とされるなど高齢化が進む一方で、産科医を志す若手医師も減っている。今後ますますお産ができる施設は減るだろう」と語っている。
(2006年6月14日21時29分 読売新聞)

 出産を行っていない病院や診療所が3分の1以上あるという調査報告。今住んでいる草加市では、出産ができる病院が1カ所しかないらしい。市立病院でも出産ができないらしいのだ。行政としての問題点でもあるらしく、市議会で討議されるが解決できないでいるとの話だった。
 産婦人科医の約3分の1が60歳以上というのも悩ましい現状である。実際、開業している医者の数がどのぐらいなのだろうか。免許を持っていても開業していない医者の方が多数おられるような気がしてくる。