ダイエット食品には注意しよう!

白インゲン症延べ650人…放送前の試食異常なし
 TBS系の健康情報番組「ぴーかんバディ!」で紹介された白インゲン豆ダイエット法を試みて、激しい下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴えた視聴者が9日夕までに、延べ650人に上ったことがTBSのまとめで分かった。
 いずれも症状は軽く、快方に向かっているが、同局では事態を重視。同日午後のニュース番組で、白インゲン豆を使ったダイエット法について、視聴者に注意を呼びかけた。
 白インゲン豆にはファセオラミンと呼ばれる物質が含まれており、炭水化物と一緒に食べるとダイエット効果があるとされる。
 番組では、フライパンでいった後、粉末にしてご飯にまぶすなどの調理法を紹介。放送前に番組スタッフら十数人で10日以上試食したが、体調に問題はなかったという。
 今回の件について、徳島文理大の勝沼信彦・健康科学研究所長(生化学)は「ファセオラミンを大量に摂取すると、嘔吐や下痢を起こすことがある。危険性があるものをダイエット法として広めるのはどうか」と指摘。TBS広報部では「生豆に含まれる成分が加熱不十分のために残り、胃や腸の粘膜の炎症を引き起こした可能性が高いのではないか。今後、個々のデータを分析し、原因を究明したい」としている。

(2006年5月9日22時43分 読売新聞)

 高橋久仁子さんが、『「食べ物神話」の落とし穴』で書かれているように、万能薬のようなものは残念ながらこの世の中に存在しない。特に、この記事のようにフライパンで水分を飛ばし粉状に濃縮した場合、とりたい成分以外も高濃度でとることになるので、上記のような問題が発生する可能性があると思う。それにしても、番組スタッフが10日以上試食して、大丈夫だったから紹介したという放送局の安易さにはどうしようもない憤りを感じてしまう。この手の民間療法は、その危険性についてまったく調査されていないことが多い。話題作りが出来ればいいというテレビ局の考え方は、バラエティーぐらいに抑えておいて欲しい。こと健康にかかわる内容については、きちんと専門家と相談して番組作りをして欲しい。もっとも、あるある大事典などを見ていると、これが専門家?というとんでもない専門家が出てくるけど・・・。