マスメディアの権力と著作権

 「 グーグル Google」で佐々木氏が言っているグーグルの権力は、現在、マスメディアが持っている権力と同じもののように感じている。もし、違っている点があるとしたら、今のメディアが、ある程度地域制約があるのに対して、インターネット上で生まれる権力は、国境を越えてその権力を行使出来る点だろう。しかし、今のメディアもインターネットを利用すれば、国境を越えた権力の行使は可能になる。
 テレビや新聞などの現メディアは、多数存在するため、お互いをけん制し合い、権力を持ったものの間の倫理を確立することで、権力行使を抑制していると思う。
 グーグルの権力も同じで、台頭してくるインターネット上の企業が増えれば、その中で倫理観が形成されてくる。グーグル八部的行動が増加すれば、グーグルに対する見方も当然変わってくるし、グーグル自体の企業価値も下がっていくと思う。マイクロソフトに対する不信感が多くの人にあるのと同じで、一企業が世界各国の人々に信頼される企業として君臨し続けることは難しいと思う。
 インターネットの普及は、ここ5〜6年のことで、一歩先にグーグルが出たとの見方でいいのではないか。
 報道関係者が異常なまでにインターネットに反応しているのは、権力の争奪戦がインターネット企業との間で起きているからで、グーグルという企業がそのトップを走っているということだと思う。この権力争いよりも、誰もが意見を述べることが出来る社会が形成されつつあることの方が重要だと思う。
 個人的には、誰もが意見を述べることが出来ることで、著作権の有料化問題にメスを入れてもらえることを期待している。今の世の中は、何でもかんでも著作権と主張し、有料化してしまう。ところが、著作権が切れたクラッシック音楽などは、誰もが認める価値化があるにもかかわらず、著作権料がない。ものの価値観に対して金銭を支払うのはいいと思うが、価値観の判断がされず、金銭が著作権という権利に発生することに対して前から違和感を感じている。
 そして、現在の権力者であるマスメディアが、著作権を与える権限を持っている。この構造を変えていかなければ、誰もが意見を述べられる社会は成り立たない。意見や話題に関して、共有できる環境を実現するには、この著作権をどう扱うかがポイントになると考えている。