議論の種類
人気サイトなので、多くの方が見られていると思うが、「議論のしかた」というサイトがある。ネットでブログや掲示板にコメントを書く場合に、参考になるサイトだ。基本的なルールをやさしく解説してくれている。
今回は、議論の種類について引用する。
議論には、3つの種類がある。「討論」、「議決」、そして「対話」。それぞれにルールがあって、それを守って議論する必要がある。
1.討論
- 参加者は「賛成派」「反対派」「審判」の3つに分かれる。兼任はできない。
- 賛成派・反対派はお互いを言い負かすために全力をつくす。
- 審判は両派の言い分を聞いて、どちらが勝ったかを判定する。
- 審判の判定は絶対である。審判への攻撃は許されない。
- 審判は公正でなくてはならない。意見の偏りがあってはならない。
テレビ討論などでは、視聴者が審判となる。賛成派と反対派は相手を納得させる必要はなく、自分の主張を審判に判ってもらうために、最善を尽くす。テレビの場合、賛成派と反対派の他に、司会者を置いている場合が多い。この司会者も中立であるべきで、誘導尋問に近い発言をしてはいけない。モトケンさんのブログに書いてあるが、裁判の場合、この誘導尋問は禁止されている。
裁判における主尋問においては、原則として誘導尋問は禁止されています。
誘導尋問というのは、内容的には質問者が期待している答を暗示する尋問であり、形式的には yes か no などの二者択一の回答を求める質問のやりかたです。
誘導尋問が禁止されるのは、そのような尋問は真実発見の妨げになるからです。
司会者が、視聴率を上げたいがために、誘導尋問をしている番組は、質が低い討論と思ってよい。
2.議決
- 参加者は「賛成派」「反対派」「審判」の3つの役を一人でこなす。
- 参加者は公正でなくてはならない。意見の偏りがあってはならず、判断が自分の考え以外の要素に左右されてはならない。
- 参加者は問題についての直接の利害があってはならない
国会で行われているのが、この議決。国会での議員の発言を聞いていると、とても公正であるとは言えないものが多いような気がする。
公正性確保に関しては、そもそも、我々は、国会議員をはっきりと自分の考えで選んでいるだろうか。誰かの意見にのったり、テレビ番組の評判で支持者を決めていないだろうか。
公平性を維持するためには、自分の考えをはっきり持った国民が、自分の意志で投票する必要がある。郵政民営化、賛成、反対だけで議員を選んでないだろうか。自分の考え方と合う政党がないと逃げていないだろうか。自問自答してみると、確かに自信がない。議決で求められる公正性の確保には、我々の選挙に対する姿勢が大きく影響する。もう一度、選挙に対する態度を改める必要があると思った。
3.対話
- 参加者は自分の意見を自由に言い合う。
- 相手の意見を聞くのが目的であり、何かを決めるのが目的ではない。意見に勝ち負けをつけるのは無意味である。
- 結論を出すのが目的ではないのだから、結論が出ないような話でもいい。
- 相手の意見が自分とは違っていたとしても、相手の意見を変えようとしてはいけない。あくまで意見を聞くことが目的である。
- 自分の意見は変えてもよい。むしろ変えた方がよい。
ネットで多く行われているのが、この対話。本来、対話は、自分の持っている知識や意見の幅を広げるために行うべき行為だと思う。従って、ここに挙げられているルールを十分に守ってネットに参加するべきだと思っている。感情的になってしますと、対話はなかなかうまくいかない。サイト運営者が言っているように、自分の意見を相手に伝えることでは、何も得るものはない。相手の意見を受け容れて、自分自身を磨くことに議論の意味があると思う。