NHK(橋本元一会長)は11日、報道局スポーツ報道センターの大下哲史チーフプロデューサー(43)が、01年1月からの約5年間にカラ出張で1762万円を不正に着服していたと発表した。同日付で大下チーフプロデューサーを懲戒免職処分にしたほか、原田豊彦放送総局長を減給20%1カ月とするなど、当時の上司を含め計12人も処分した。

 また、NHKの不正事件が発表された。NHKによると、大下チーフプロデューサーは札幌放送局放送部に勤務していた01年1月から、05年6月の東京への異動をはさんだ今月初めまで、242件の架空の出張申請をし、旅費や日当を不正に受け取っていたという。実に、5年半の長期にわたって不正が見抜けなかったことになる。普通の会社なら、上司がチェックする前に、周りの仲間達がそういう兆候があれば、「何か変だな」と大概の場合気づく。一人だけおいしい汁を吸い続けることは容易なことではない。NHKの不正の特徴は、全て個人がおこなっていること。これは、会社の体質なのか、それとも慣例化している部分を隠すため、つるし上げ状態にしているのか。何れにせよ、氷山の一角が、ぽつぽつと出ているのかも知れない。
 このところ、NHKが官庁の随意契約に関する不正報道を頻繁におこなっていたのも、この問題がクローズアップされないようにする手段だったのでは?