距離を置きたい効能・効果主義

 「栄養になる」ではない、何らかの「保健効果」を期待して食べることを、「効能・効果主義で食べる」と呼んでいる。食品を摂取する意義を、その食品が有するかもしれない狭い意味での「保健効果」に求めるのは、食品が有する価値を矮小化するように思えてならない。現代の科学は今まで無価値と考えられていた各種の食品成分の有用性を明らかにしつつある。例えば、植物繊維、ポリフェノール、大豆のイソフラボン、香辛料類の保健効果など。しかし、これらの新たな情報を理解する場合、多様な食品をあれこれ食べることが結局のところ、健康にはプラスに作用するらしい、と解釈することが賢明。食品に効能・効果を求めすぎると、フードファディズムに陥ることになってしまう。