傍聴の感想

 松井氏という人物は、人の意見をまったく聞かないタイプの人間に見えた。まず、法廷に入ってくるなり、傍聴席に向かって「松井です。変な言われようになっているので来ました」という意味の言葉をはきながら席に着いた。全くの初対面の人たちに向かって、また、中立もしくは自分を応援している人がいるかもしれない傍聴席に向かって、あたかも自分の敵を威嚇するような発言をするのはどうかと思った。法廷中も発言を始めると自分の世界に入ってしまい、感情的な発言が多々あった。「なぜ名誉毀損名なのか」が論じられている裁判で、感情的な発言しかしないのでは、裁判自体が終わらない。もう少し冷静な態度と論理的な発言をしたほうが良いのではないだろうか。逆に弁護士とちゃんと打ち合わせ出来ているのかといらぬ心配をしてしまった。
 問題となった第7回環境ホルモン国際シンポジウムのリスクコミュニケーションパネルディスカッションでの発表は、彼にとってはどこもおかしくない普通の発表で、たぶん学会でも、大学の授業でも、飛躍した説明を繰り返し行っているのではないかと感じた。私が話すんだから言葉にしなくても相手に伝わるといった一般人には到底理解できない思考回路になっているのではないかと思えてならない。