光触媒について

 昨日、国際光触媒展2005の基調講演を聞いてきた。東京大学先端科学技術研究センター所長の橋本教授の話の中に、ごもっともな話があったので、紹介する。橋本教授は、”光触媒はどこでもなんにでも効果があるというものではない。”という。”しかし、条件が整えば実は良く効く”ともおっしゃっている。

 ”光触媒は、強い酸化力で有機物を分解する。しかし、紫外線があり、同時に分解される有機物が同時に吸着していないと分解は起こらない。”ここらへんの話は、講談社新書「光触媒とはなにか」を書かれている佐藤しんりさんのホームページ(http://www.d7.dion.ne.jp/~shinri/)が詳しい。

 その例として、”屋外の太陽光で分子レベル(ナノスケールレベル)の有機物は20分で分解するのに対して、大腸菌(ミクロンスケールレベル)では、6日かかる”といっている。ミクロンはナノの1000倍であるから太陽光が同じ紫外線量だと仮定した場合(実際には違っているが)有機物の大きさによって分解時間が異なるのである。
 従って、何にでも効くということは簡単には言えないわけで、ちゃんと科学的根拠を示すか効果がハッキリ判るように示す必要があるとおっしゃている。