<span style="font-weight:bold;">地球温暖化防止に向けた横断的な施策</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

(1)法改正による規制の強化
 「地球温暖化対策推進法」では、温室効果ガスを一定量以上排出している工場・事業所は、温室効果ガスの排出量を毎年国へ報告することが義務づけられています。排出量が伸び続けている業務部門その他部門への対策を強化する必要から、2008(平成20)年に法改正があり、報告対象にコンビニ等のフランチャイズチェーンが追加され、また報告単位が工場・事業所から温室効果ガスを一定以上排出していえる会社単位となりました。
 「省エネ法」は、エネルギー使用の伸びが著しい運輸部門、業務その他部門における規制強化を目的に2005(平成17)年、2008(平成20)年に改正が行われてきました。その結果、運送会社やコンビニエンスストア・スーパーなどのフランチャイズチェーンも、エネルギー管理の対象となりました。さらに、エネルギー管理の単位が工場・事業場単位から会社単位になりました。
(2)国民運動の展開
 地球温暖化防止のためには、わたしたち国民一人ひとりの取り組みも需要です。国民すべてが一丸となって取り組む国民運動「チーム・マイナス6%」が推進され、夏の「COOL BIZ(クール・ビズ」や冬の「WARM BIZ(ウォーム・ビズ)」の普及が進んでいます。
(3)国内排出量取引制度
 2005(平成17)年度から、費用効果的な排出量削減と取引の知見や経験の蓄積を目的に「自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)」が始まりました。その後、二酸化炭素の排出量削減には二酸化炭素に取引価格をつけ、市場メカニズムを活用し、技術開発や削減努力を誘導する必要があるとの観点で、2008(平成20)年10月からJVETSを含めて「排出量取引の国内統合市場の試行」が開始されました。
(4)カーボン・オフセット
 カーボン・オフセットが注目され、欧州、米国等では、カーボン・オフセットを組み込んだ商品やサービスの普及が進んでいます。日本においても、カーボン・オフセット年賀状やオフセット付き商品が発売されるなどの取り組みが始まっています。
(5)「見える化」の推進
 経済産業省は2009(平成21)年より、カーボン・フットプリント制度の試行事業を実施しています。その一環として、2009年10月からカーボン・フットプリントマークを貼付した商品の販売が開始されました。
(6)太陽光発電買取制度
 新エネルギーである太陽光発電の普及を図る目的で、家庭などでの太陽光発電で生じた余剰電力を固定価格で電力会社に買取を義務づける太陽光発電買取制度が2009年11月から始まりました。買取価格は導入当初は住宅用48円(現在価格の約2倍)、買取期間は10年としています。固定価格買取制度はドイツ、スペインなどヨーロッパで始まり、太陽光発電普及の原動力となったといわれています。

 地球温暖化対策といえば、まずは、京都議定書が頭に浮かびます。まずは、京都議定書のおさらいです。削減基準年は1990年、目標達成期間は、2008年から2012年、削減目標は先進国全体で5.2%でした。そして、日本の削減目標は、6%です。
 京都メカニズムには、共同実施、クリーン開発メカニズム、排出量取引がありました。それぞれの内容をもう一度復習しておきましょう。
 地球温暖化対策推進法では、温室効果ガスを一定量以上排出している会社に対して、会社単位で排出量の報告を毎年報告するように義務づけています。
 省エネ法は、2005年、2008年に改正され、運送会社とフランチャイズチェーン(コンビニ等)を追加するとともに、エネルギー管理の単位が会社単位になりました。
 地球温暖化対策推進法は、温室効果ガスの管理を、省エネ法は、エネルギーの管理を求めています。
 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)は、国内企業間の排出量取引制度です。
 カーボン・オフセットとは、欄外の注にあるとおり、「ある活動によって引き起こされる二酸化炭素の排出量を、別の活動による排出量の削減、吸収量の増大、排出量の固定・貯蓄などで相殺すること」です。吸収量の増大は、森林の育成などを、排出量の固定・貯蓄は、地底や海底に二酸化炭素を貯めこむことをいっています。
 カーボン・フットプリントは、「原材料の調達から廃棄・リサイクルまでの全課程で排出される温室効果ガス量を二酸化炭素量に換算して商品に表示し、消費者に”見える化”を進める手段」です。カーボン・フットプリントのマークは、ここで確認できます。どんなマークかチェックしておきましょう。

目次へ