<span style="font-weight:bold;">環境アセスメントとは</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 交通の便をよくするための道路や空港、水を利用するためのダム、生活に必要な電気を得るための発電所などは、人が豊かな暮らしをするためには必要なことですが、いくら必要な開発事業であっても、環境に悪影響を与えてよいはずはありません。開発事業による環境への悪影響を防止するためには、事業の内容を決めるにあたって、利益や事業の採算正だけでなく、環境の保全についてもあらかじめよく考えておくことが重要となります。このような考え方から生まれたのが、環境アセスメント(環境影響評価)制度です。

 環境アセスメントは、環境アセスメント 開発事業と自然環境で一度登場しています。今回は、もう少し詳しい説明です。
 環境アセスメントとは、開発事業の内容を決めるにあたって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して国民、地方公共団体などからの意見を聴き、それらをふまえて環境への保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度です(p.128欄外)。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">環境アセスメントのしくみ</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 1997(平成9)年6月に環境影響評価法が制定され、1999年6月に施行されました。道路、河川(ダムを含む)、鉄道、飛行場、発電所など13種類の事業と港湾計画が対象となります。このうち、規模が大きく環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業を「第一種事業」として定め、環境アセスメントの手続きを必ず行うこととして定めています。また、「第一種事業」に準ずる規模の事業を「第二種事業」として定め、手続きを行うかどうかを個別に判断することとしています。
 環境アセスメントの手続きは、図表3ー25のとおりです。

 道路、河川(ダムを含む)、鉄道、飛行場、発電所などが対象となります。対象事業は、第一種事業と第二種事業とに区分されます。第一種事業は、スクリーニングをせずにアセスメントを実施するのに対して、第二種事業では、まずスクリーニングをして必要、不必要を判断し、必要と判断されたときのみアセスメントを実施することになります。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">環境アセスメントの手順</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

  • どのような内容の環境アセスメントを行うか決める(スコーピング)。
  • 環境アセスメントを実施する。
  • 市民、地方公共団体環境省の意見(環境大臣が意見を述べるのは、許認可権者が国の機関である場合に限られる)を聴きながら、環境アセスメントの結果を修正する。
  • 事業の実施段階で事後調査(十分な予測ができない項目について、工事中や供用後に環境調査を行い、その結果をもとに必要な対策を検討すること)を行う。

 環境保全内容を公表し、市民や地方公共団体などに公表し、意見を集約した後に修正を加えていくというやり方です。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">愛知万博と環境アセスメント</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 2005(平成17)年に開催された愛知万博愛・地球博)では「環境グループ」という組織を設けて、1999年4月の準備段階から環境アセスメントを開始した。
 会場の決定に至る過程では、オオタカの営巣の発見などで会場の変更があった。また、会場が決定された後も、工事にともなう騒音や振動、会期中の催事などで発生するスピーカーからの音や、夜間空中へ放射される光照明の環境に与える影響を調査し、環境負荷が最小限になるよう対応した。これらの環境アセスメントは、200項目以上にのぼる。

 確か、記憶によると、会場を移動するゴンドラで、ある一定の地域を通るときのみ、一時的に視界を遮るシステムがあったと思います。これは、その地域に住む住民からプライバシーに配慮して欲しいとの意見があり実現したと聞いています。それにしても、200項目以上あったというのは驚きです。

目次へ