<span style="font-weight:bold;">社会の一員としての企業</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 CRSとは Corporate Social Responsibility の略で、日本語では一般的に「企業の社会的責任」といわれています。企業も社会を構成する一員であることから、持続可能な社会を構築する取り組みに積極的に参加し、責任を果たすことが求められています。
 CRSには、社会、環境、労働、人権、品質、コンプライアンス、情報セキュリティ、リスクマネージメントなど、多岐ににわたるテーマが含まれています。そして、その取り組みの中心となるキーワードは「持続可能性( Sustainability )」であり、企業が経済面のみならず、社会・環境面に対しても配慮しながら(トリプルボトムライン)、バランスのとれた取り組みをすることであるといわれています。p.114

 コンプライアンスは、一般的に法令遵守(じゅんしゅ)と訳されますが、企業理念を守ることを含めているとの考え方もあります。
 ボトムラインとは、企業活動の最終的な決算、財務面の結果を意味します。トリプルボトムラインとは、経済面の結果に加え、環境面、社会面お結果も含めて総合的に高めていく考え方です。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">CRSの変遷</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 時代とともに、企業に求められる役割も変化し、「企業の社会的責任」の内容も、従来の経済的あるいは法的な企業の責任を大きく越えた概念へと広がってきました(図表3ー16参照)。
 現在は、企業自らが、市場に向き合い、ステークホルダーといわれる顧客、株主、従業員などの多様な主体との関係を見直し、CRSを企業戦略の一環として事業の中核にとらえるようになってきています。p.115

 企業におけるステークスホルダーは、一般的には、投資家、債権者、顧客、取引先、従業員、地域社会、行政、国民などをいいます。利害関係者すべてが入ります。従業員も含まれることを覚えておきましょう。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">CRSの進展に向けて</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 今日の日本におけるCRSへの関心の高まりは、欧米におけるCRSの議論や社会的責任投資(SRI)の進展、また、相次ぐ企業の不祥事に対し透明性を求める社会の声に対応する形で進展してきました。また、自主的なCRSの動きだけでなく、法的な制約を含む内部統制により企業不祥事を防ぐ動きも出てきています。
 ISOでも、会社に限定せずに組織の社会的責任(SR)の規格として、ISO26000の検討が進んでおり、2010年の発効が予定されています。

 内部統制とは、「一般に企業などの組織内部において、違法行為や不正、ミスやエラーなどが行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるよう各業務で所定の基準や手続きを定め、それに基づいて管理・監視・保証を行うこと。(IT情報マネジメントHPより)」だそうです。その目的は、業務の有効性および効率性、財務報告の有効性、事業活動にかかわる法令遵守、資産の保全です。会社経営健全化を目的とした総合的な監査・見直し機能です。

目次へ