<span style="font-weight:bold;">リサイクルの現状</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

(1)一般廃棄物(ごみ)のリサイクル
 主に家庭から発生する一般廃棄物(ごみ)は、市町村における分別収集等による再資源化が進められています。年を追ってリサイクル率は着実に向上し、最終処分量は減少しています(図表3ー9一般廃棄物のリサイクル率、最終処分率の推移産業参照)。
(2)産業廃棄物のリサイクル
 事業活動にともなって発生する産業廃棄物の再利用率も年を追って向上し、最終処分率は最近5年間で約半減し大きく低減しています(図表3ー10産業廃棄物のリサイクル率、最終処分率の推移参照)。

 廃棄物にはどのようなものがあるかで、廃棄物の定義をもう一度確認しましょう。一般廃棄物と産業廃棄物の区別を理解してください。(リンク先から戻るには、右上のブログトップをクリックしてください。)

目次へ

<span style="font-weight:bold;">リサイクル法による循環的な利用の現状</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

(1)家電廃棄物
 家庭から排出される使用済みのエアコン、ブラウン管テレビ、冷蔵庫・冷凍庫および洗濯機は、家電リサイクル法により製造業者等に一定水準以上の再商品化が義務づけられています。製造業者等に引き取られた廃棄物はリサイクルプラントで、鉄、アルミニウムなどやプリント基板に使用されている貴金属が回収されるほか、エアコンや冷蔵庫・冷凍庫に使用されているフロン類も回収されています。
 なお、2009(平成21)年4月より、液晶・プラズマテレビ、衣類乾燥機が対象機器に追加されました。

 対象となっているのは、エアコン、ブラウン管テレビ、液晶・プラズマテレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機、そして衣類乾燥機です。対象商品は覚えておきましょう。

(2)食品廃棄物
 食品リサイクル法の対象食品廃棄物は、加工食品の製造過程や流通過程で生じる売れ残り食品、消費段階での食べ残し、調理くずなどで、一般家庭から排出される生ごみは対象になっていません。2007(平成19)年度における食品廃棄物の再生利用率は、54%となっています。食品リサイクル法は、食品関連事業者ごとに再生利用実施率の目標を設定しています。

 一般家庭から出る生ごみは対象になっていません。食品関連業者とは、食品の製造、加工、卸売、小売業者、飲食店などの外食産業をいいます。

(3)容器包装廃棄物
 容器包装リサイクル法では、消費者は容器包装廃棄物を分別して排出、市町村が分別回収、事業者は再商品化するという、三者の役割分担を決めています。容器包装リサイクル法施行後の成果として、市町村による分別収集量の増加、一般廃棄物全体のリサイクル率増加などのプラス面がある反面、家庭から捨てられる一般廃棄物の排出量は横ばいとなっている、市町村による分別収集コストの増大などの課題があります。
(4)建設廃棄物
 建設リサイクル法では、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊および建設発生木材について、建設工事受注者・請負者等に対して分別解体や再資源化を行うことを義務づけています。再資源化の目標は2010(平成22)年までに95%となっていますが、建設発生木材を除いて2005(平成17)年度で目標を達成しています。

 対象になっているのは、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊および建設発生木材です。

(5)使用済み自動車
 自動車リサイクル法では、「シュレッダーダスト」、「フロン類」、および「エアバック類」をリサイクルの対象としています。使用済み自動車は、エンジン、ボディ部品などの有用な部品、部材を回収後、シュレッダーされてさらに鉄等の有用な金属が回収されます。自動車リサイクル法施行前のリサイクル率は83%程度でしたが、施行後のリサイクル率は94%程度まで向上しました。

 対象になっているのは、「シュレッダーダスト」、「フロン類」、および「エアバック類」です。
 シュレッダーダストは、廃家電や廃自動車を破砕し、鉄や非鉄金属(銅、アルミニウムなど)を回収した後、産業廃棄物として捨てられているプラスチック、ガラス、ゴムなどの破片の混合物をいいます。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">使用済み小型家電からのレアメタルの回収</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 携帯電話、ゲーム機、デジカメなどの小型家電製品には、金、銀などの貴金属やニッケル、クロム、マンガン、リチウムなどのレアメタルを含めてさまざまな金属が含まれています。これらの使用済み製品を鉱石に見立てて「都市鉱山」と呼ばれています。国内で廃棄するレアメタル等の鉱物資源は相当量になっているといわれています。
 携帯電話などの小型家電製品は、現時点では各種リサイクル法の対象ではなく、使用済みとなっても回収・再資源化の体制が確立していませんが、レアメタルリサイクルを目的とした小型家電の回収等の自主的な取り組みが一部の地方自治体で始まっています。また、モバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)は使用済みの携帯電話・PHSの本体、充電器、電池の自主的な回収を全国的に展開しています。

 プリント配線基盤やバッテリーには、貴重なレアメタルが微量ですが、多く使用されています。これらを効率よく回収し、リサイクルするシステムを確立することは重要です。

目次へ