<span style="font-weight:bold;">地球上の森林が減少している</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 地球表面の約71%は海で、残り約29%を陸地が占めています。国連食糧農業機関(FAO)の「The Global Forest Resoures Assessment 2005(世界森林資源評価2005)」によると、世界の森林面積は、約39.5億haで、これは地球の陸地面積の約30%に相当します。この森林面積は、熱帯林を中心に減少を続けており、2000〜2005年の間に毎年約730万haの森林が減少しました。図表2ー29のように、1990〜2000年の毎年約890万haの減少に比べると、その速度は落ちているものの、減少傾向には変わりありません。
 地域別で見ると、ヨーロッパで着実に増加していること、またアジアでは中国での植林活動により2000〜2005年では森林面積が増加に転じました。しかし、熱帯雨林をもつアフリカ、南米の森林面積が大幅に減少しており、地球温暖化や生物多様性にとって深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。

 地球表面の約30%が陸地で、またその約30%が森林です。日本の場合、国土の66%が森林であり、世界でも有数の森林国です(p.32参照)。
 ヨーロッパでは、森林面積が増加しています。また、アジアでは、減少から増加にシフトしています。そして、アフリカと南米で森林減少が続いています。
 ここで、注意しなければならないのは、人口と森林減少との因果関係があまり成り立たないということです。人口問題のページでは、アジアの人口が圧倒的に多いことを見ました(p.38参照)。しかし、森林面積が減少している地域は、アフリカと南米です。特に、南米にはアマゾンなどの森林が密集している地域があり、そこでの森林減少は深刻です。

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<span style="font-weight:bold;">森林破壊の原因</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 森林破壊の原因としては、非伝統的な焼畑耕作、薪炭材(しんたんざい)の過剰伐採、農地への転用、過剰放牧、不適切な商業的伐採、森林火災、酸性雨の影響などが指摘されています。
 また、1980年以降、マングローブ林が急速に減少しました。原因として、エビ養殖場の乱開発などが指摘されました。日本は世界でも有数のエビ消費国です。日本にエビを輸出している生産国も、外貨獲得の手段としているとはいえ、日本人もこの実体を認識しておく必要があります。

 エビ養殖場の乱開発は、マングローブ林の急速な減少をもたらした一要因です。このように、商業的な目的のために、森林が破壊されているケースが多いようです。先ほど、人口とあまり因果関係がないといったのは、こうした原因で森林が減少していると思われるからです。

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<span style="font-weight:bold;">森林破壊の影響</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 熱帯林は、いったん伐採されると、再生は非常に困難となります(第2章1ー5参照)。肥沃な土地が森林を育て、森林が生物の生存と食物連鎖の要である土を育てますが、森林が破壊されてしまうと、栄養分を含んだ土の表面が流出したり、直射日光による乾燥や、野生生物の生息環境が失われることなどにより土が荒廃してしまうためです。
 森林破壊の影響には、次のようなものがあります。

  1. 木材資源、食糧・農産物の減少
  2. 土の流出、洪水・土砂災害などの発生
  3. 野生生物種の絶滅
  4. 地球温暖化などの気候変動の促進

 熱帯林には、そこから得られる資源だけで自給自足の生活をしている住民がいまでも多くいます。森林の破壊は、まず、燃料資源や森林から得られる食糧を減少させ、地域住民の生活基盤が失われます。そして、洪水・土砂災害の多発により、地域住民の生活が危機にさらされます。
 熱帯林は「種の宝庫」で、地球上の生物種の半分以上が生息しているといわれています。森林破壊は、貴重な野生生物種の絶滅につながります。
 さらに、森林は水や湿気を蓄えたり、蒸発させることにより、地表近くの気温を一定に保つ働きがあります。また、二酸化炭素を吸収することで、地球温暖化の抑制機能ももっています。森林が破壊されることにより、二酸化炭素の増加がさらに加速され、地球温暖化による異常気象が各地で多発するなどの深刻な影響が心配されています。

 森林破壊の影響に関しては、ここにかかれているとおりです。

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<span style="font-weight:bold;">森林破壊への取り組み</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 森林破壊の背景には、途上国の貧困や急激な人口増加という問題があり、また多くの途上国が財政難に陥っていることから、自力による森林の保全・造成への取り組みを阻んでいます。
 このため、先進国主導により「持続可能な森林経営」という考え方にもとづいて、熱帯林の保全に向けた国際的な取り組みがなされています。
 また、国連食糧農業機関(FAO)により、熱帯林の適正な開発と保全を図ることを目的とした熱帯林行動計画による支援や、国際熱帯木材機関(ITTO)による取り組みなどが行われています。さらに、世界各国の企業やNGO/NPO、市民団体などが植林活動を行っています。

 ここに書かれている対策は、主にアジアやアフリカに対するものだと思います。もっとも深刻な状況下にある南米では、貧富の差が最大の問題となっているようです。

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