<span style="font-weight:bold;">ヒートアイランド現象とは</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 ヒートアイランド現象は、都市部の熱汚染現象です。都市の中心部の気温を等温線で表すと郊外に比べ島のように高くなることから、ヒートアイランド現象と呼ばれています。
 その原因は、都市化により、地表面から緑地や水面・農地が減少して熱の蒸散効果が低下し、逆にアスファルトやコンクリートなどの人工構造物が増えて、熱が吸収・蓄積されやすくなったこと、またエアコンや自動車などの人工的な排熱量が増加していることがあげられます。p.58

 ヒートアイランド現象も環境問題のひとつですが、地球温暖化とは切り離して考えた方が良さそうです。
 地球温暖化のペースは、100年で約1℃の上昇です。従って、その違いを我々がじかに体感的に感じることは容易ではありません。昔は関西地域までしか見られなかった虫が、東京でも普通にみられるようになったといったことで、初めて感じられる温度差です。
 また、ヒートアイランド現象の変化は、東京で3℃と地球温暖化の3倍以上の上昇で起きています。しかも、戦後の高度経済成長後の上昇ですから、50年間ぐらいの間でしょうか。
 若い人たちだと経験がないかもしれませんが、50年近く生きてきた人たちの子供の頃と今とでは、暮らしそのものも大きく違っていますし、冬日の減少など温度で体感できる気温の違いもわかります。明らかに東京の冬は、暖かくなっています。前にも書きましたが、ヒートアイランド現象は、夏よりも冬に顕著に現れています。
 ヒートアイランド現象の由来は、覚えておきましょう。

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<span style="font-weight:bold;">ヒートアイランド現象の影響</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 ヒートアイランド現象による生活への影響には、次の点があります。

  1. 温度上昇による真夏日・熱帯夜の増加、熱中症発生の増加など
  2. エアコン用エネルギー使用の増加。その結果、ヒートアイランド現象がさらに進行する悪循環
  3. 局地的集中豪雨の増加による都市型洪水の多発
  4. 高温化による光化学スモッグの発生多発にともなう大気汚染

p.59

 この部分は、誰もが体験していることなので今更解説する必要はないと思います。

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<span style="font-weight:bold;">ヒートアイランド現象への取り組み</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 ヒートアイランド現象の対策は、人工排熱量を減らすことと、地表面からの輻射熱を減らすことが重要です。エネルギー効率のよい電気製品や温熱機器、燃料効率の高い自動車の開発・普及などによる省エネルギーの推進、また交通渋滞の緩和のための対策も重要です。
 行政による対策は、東京都が「自然保護条例」で一定規模以上の敷地をもつ新築・改築建築物の屋上緑化を義務づけています。この動きは、その他の都市部の自治体でも広がっています。政府は、2004年総合的なヒートアイランド対策の基本方針を提起した「ヒートアイランド対策大綱」を策定しました。この大綱では、対策の進捗状況を毎年点検することになっており、2007(平成19)年の進捗状況を図表2ー23に示します。p.59

 輻射熱とは、日中太陽から降り注いだエネルギーを地表面にある物質(例えば、コンクリートやアスファルトなど、もちろん、自動車や電車などの金属や人などの生き物も含まれます)が吸収し、それを熱エネルギーとして放射する熱のことです。
 現在の都市は、エネルギーを吸収し、熱として蓄えやすい材料で覆われています。それをいかに減らし、水分を蒸発してくれる緑地や水面、土といったものを有効に活用できるかがポイントとなっています。

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