<span style="font-weight:bold;">豊島(てしま)不法投棄事案</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 悪質な廃棄物処理業者により、1975(昭和50)年から1990(平成2)年にかけて、シュレッダーダストや廃油、汚泥などの産業廃棄物を大量に事業場に搬入して投棄・野焼きされた不法投棄事案です。1990年に兵庫県警が摘発し、また香川県が廃棄物処理業者の免許取消および廃棄物処理法にもとづく支障等の除去の措置命令を行いましたが、約56万立法メートルの廃棄物(汚染土壌を含む)が放置されました。
 この不法投棄問題の解決のために設置された調停委員会により調停手続きが進められ、香川県が住民に謝罪し廃棄物の撤去・処理すること、産業廃棄物の処理を適正に委託をしていなかった排出事業者が住民に解決金を支払うこと等を定めた調停が成立しました(2000年6月)。この調停にもとづき、2003(平成15)年から香川県直島において不法投棄されていた廃棄物の処理事業が進められており、2012年末までに完了する計画です。廃棄物撤去・処理事業にかかる費用は約280億円が見込まれていますが、「産業廃棄物特別措置法」が適用され、国庫補助や地方債を財源として進められています。p.56

 香川県が作成している豊島問題ホームページによると、放置されていたのは豊島で、それを処理するために隣接している直島へ不法投棄された産業廃棄物を運び、処理しているそうです。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">青森・岩手県境不法投棄事案</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 青森県と岩手県の県境にまたがる国内最大規模の産業廃棄物不法投棄事案です。1999(平成11)年11月、青森・岩手両県警の合同捜査本部が強制捜査に着手し発覚しました。不法投棄された廃棄物は、有害廃棄物を含む92万立法メートルに及び、これは東京ドームの要領の4分の3に相当する膨大な量です。
 この事案も、不法投棄の実行者である廃棄物処理業者には廃棄物の撤去・処理の能力も費用負担能力も見込めないことから、12,000社余りに及ぶ排出事業者の中から不適性委託をしていた事業者に対して廃棄物の措置命令(撤去命令)や費用負担命令がなされています。また、措置命令を受けた事業者は新聞などに社名が公表され、企業イメージに影響を受けました。
 この事案でも、2004(平成16)年に「産業廃棄物特別措置法」が適用され、国の補助・地方債を財源に処理事業が進められていますが、650億円以上の膨大な費用が見込まれています。p.57

 産業廃棄物の処理を依頼した側にも負担が及んだ最初の例立ったと思います。このときは、あきらかに不法に処理を依頼した業者をマスメディアなどで公表しています。

目次へ

<span style="font-weight:bold;">岐阜市椿洞(つばきぼら)不法投棄事案</span>

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 1988(昭和63)年から16年間にわたり行われた不法投棄事案です。2004年3月、岐阜市椿洞において、廃棄物処理業者による75万立方メートル以上に及ぶ木くず、コンクリートがら、廃プラスチック等建設廃材の不法投棄事案が、岐阜県警の強制捜査により摘発されました。
 不法投棄を行った廃棄物処理業者には、廃棄物の除去及び費用負担が求められているのはもちろん、廃棄物処理業者に不適性に処理を委託した排出事業者にも排出分に相当する廃棄物除去の措置命令、またそれに従わない場合の費用負担が求められています。この事案も、2008(平成20)年に「産業廃棄物特別措置法」が適用され、廃棄物の処理事業が進められています。撤去。処理事業にかかる費用は、約100億円が予定されています。p.57

 ここまでの3件の不法投棄事件は、前回のテキストでは触れられていません。従って、今回以降出題される可能性があります。各事件について、頭に入れておきましょう。

目次へ

最終処理場の残余年数と残余容量

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 廃棄物処理の最終段階は、最終処分場での埋め立てです。最終処分場の建設は膨大な費用と広大な土地が必要となり、また廃棄物処理施設は、いわゆる”迷惑施設”であることから地域住民などの感情もあり、新規確保が難しい状況です。このため、一般廃棄物の残余容量は減少し、産業廃棄物の残余容量は横ばい傾向が続いています。しかし、ともに最終処分量が減少していることから残余年数は増加傾向にありますが、依然として厳しい状況にあることは変わりません。p.57

 残余容量は横ばい傾向、残余年数は増加傾向だが、依然と厳しい状況であると覚えておきましょう。

目次へ