地球の年齢は46億歳

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 太陽系の中で地球が誕生したのは、約46億年前と考えられています。
 誕生したばかりの原始地球は、小さな惑星(微惑星)との衝突を繰り返しながら成長し、表面は熱いマグマに覆われ、上空は熱い雲で閉ざされていました。大気には微惑星から放出された二酸化炭素が高い濃度で存在し、酸素はなく、気温も高濃度の二酸化炭素の温室効果などで相当高かったと考えられています。
 やがて地球表面が冷え始めると、雲を形成していた水蒸気が雨となって大量に降り注ぎ、洪水となり低地にたまって海となりました。こうして、41億年ほど前に陸と海が形成され、薄くなった雲間から太陽光が注ぎ、生命誕生の環境が整っていったと考えられています。(p.24)

 マグマとは、鉄やアルミニウムなどの重い原子(金属)が溶融して液体状になったものです。火山活動の時に吹き出してくるマグマを想像してみてください。一瞬にして草花を焼きつくして進んでいます。鉄やアルミニウムなどの金属を溶かすには数千度の温度が必要です。
 従って、原始地球の表面温度は、かなり高温だったことが想像できます。もちろん、高温のため、海は存在できませんでした。
 宇宙の温度は、−270度といわれています。地球表面がどんなに高温でも宇宙に近づいていくにつれ、温度は急激に下がっていきます。二酸化炭素や水(水蒸気)は、気体として存在できる温度の場所で雲のような形状で存在していたのでしょう。
 惑星との衝突回数が減り、エネルギー供給が少なくなってくると、地球は徐々に冷えていきます。そして、地球表面に液体となった水が存在できる環境が整ったころに、水蒸気は、空から雨となって、地表に降り注ぎます。しかし、この時点でも酸素はまだ存在しません。酸素があらわれるまでには、もう少し待たなければなりません。

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生命の誕生と光合成活動

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 地球に生命が誕生したのは40〜38億年前、海中のアミノ酸が化学変化して原始バクテリアが誕生し、ここから生物の進化の長い歴史が始まったと考えられています。27億年前になるとラン藻による光合成が活発化し、二酸化炭素が消費され大量の酸素が海水中に供給されるようになりました。酸素はそれまで無酸素下で生きてきた生物にとって有害で、多くの生物が絶滅する一方、酸素呼吸を行うよう進化した生物が繁栄していきました。また、酸素は海水中の鉄分と反応し、海底に大量の鉄を沈殿・堆積させました(現在の鉄鉱床)。大気中に酸素の放出が始まったのは、鉄の沈殿が終わった20億年前ごろといわれています。
 一方、大気中の二酸化炭素は、海水中に大量に溶けこみ、海水成分との化学反応や生物の遺骸となって海底に沈殿し、大量の石灰岩が形成され、大気中の二酸化炭素濃度も減少していったと考えられています。(p.24-25)

 アミノ酸とは、炭素、酸素、水素、窒素からなる物質です。スポーツ飲料や味の素などの化学調味料として有名だと思います。このアミノ酸から最初の生物が誕生したと推測されています。しかし残念ながら、実験的にそれを確かめた人は今だにいません。
 ただ、原子地球時に想定されている環境(高温度、高圧力)下で、アミノ酸が簡単に生成されることは確かめられています。しかし、その先はまだ推測の域を脱していません。
 最初の生物、原子バクテリアが誕生した時は、当然酸素はありませんでしたから、酸素呼吸以外の方法でエネルギーを吸収していたことになります。
 27億年前になるとラン藻によって光合成が行われ、大量の酸素が形成されます。光合成は、二酸化炭素と太陽光から酸素を作り出す方法で、植物のみ、作り出すことができます。
 ラン藻は、海に存在していましたから、酸素はほとんど海中に放出されたと推定されます。当初発生した酸素は、水中に分散していた鉄成分を酸化して、酸化鉄に変え、海底へ鉄成分として沈殿させるのに使用されていました。
 鉄の酸化がほぼ終了した頃(20億年前頃)、酸素が大気中に放出され始めます。
 石灰岩は、炭酸カルシウムが主成分です。また、カルシウムは、動物の骨の主成分です。従って、カルシウムと炭酸を含む石灰岩が形成されるには、生物の遺骸と二酸化炭素が必要になります。ここでも、生物が作り出した酸素の強い酸化力が利用されています。

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オゾン層の形成と生物の陸上進出

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 大気中の酸素濃度の上昇により、6億年前にはオゾン層が形成されるようになり、生物に有害な紫外線を吸収し、それまで紫外線が届かない海中でしか生存できなかった生物の陸上進出が可能となりました。
 約5年前に植物、4億年前には動物の陸上進出が始まり、やがて木性シダ類の森林もでき、豊かな陸上生態系が形成されたと考えられています。石炭は、このシダ林が地殻変動等で地中深く埋まって化石化したもので、石油とともに化石燃料として、私たちの生活になくてはならないエネルギー資源となっています。
 約6千5百万年前には、それまで繁栄を続けた恐竜が絶滅し、現在に続く哺乳類の時代となりました。大隕石の衝突による環境変化が原因とされています。化石調査等から5回確認されている生物の大絶滅は、このような環境の急激な変化によるものと考えられています。(p.25)

 オゾンとは、酸素原子が3つつながったものです。ちなみに酸素は、酸素原子2つからできています。オゾンは、酸素よりも反応性が高く、太陽から降り注いでくる生物にとって有害な紫外線領域(UV−C波)の電磁波を吸収してくれます。このシステムが地球上にあらわれるまで、生物は海中から外にでることができなかったのです。
 約5億年前、ようやく生物が海中から地表に進出できる環境が整いました。地球が誕生して41億年がたっています。

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地球環境の劇的悪化は12月31日23時59分から

 改訂2版「eco検定テキスト」(東京商工会議所編著)からの引用。

 図表2−3は、46億年の地球の歴史を1年間に圧縮した「地球カレンダー」です。
 類人猿から分かれた人の祖先につながる猿人がアフリカに登場したのは約800〜400万年前ともいわれ、現生人類(ホモ・サピエンス)が登場してのは約20万年前と考えられています。
 18世紀半ばの産業革命は「12月31日23時59分58秒」、化石燃料の大量消費など拡大した人間活動に起因する地球環境問題はここから始まっています。
 このカレンダーで、わたしたち人類がきまめて短時間に、46億年かけてつくりあげられた地球環境を劇的に変化させてきたことがわかります。生物と地球環境との共存関係の継承は、わたしたち人類の今後の活動にかかっています。(p.25)

 地球カレンダーの内容はできるだけ覚えてください。ここまでの内容のまとめとなっています。よくひっかけ問題で、地球最初の生物がラン藻だったとか、原始バクテリアが光合成をおこなったとか、でるときがあります。間違えないようにしてください。最初の生物が原始バクテリアであり、光合成で酸素の放出をおこなったのはラン藻です。

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