統計物理学からみて、生物と無生物とは構造が根本的に異なっている

E.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約

 今日では、生物学者たち、それも主に遺伝学者たちの、過去3、40年間の巧妙な研究のおかげで、生物体の内部で時間的・空間的に起こっていることを今日の物理学と化学とがどうしても説明できなかったのは、どういう点に関してであり、それはなぜであったかを、はっきりいうことができるようになった。
 生物体の最も肝要な部分にある原子の配列や、その間の相互作用は、物理学者や科学者が従来実験的・理論的研究の対象としてきたあらゆる原子配列とは根本的に異なったもの。しかし、その構造の差異は、統計的な観点に関してのことだけである。
 生きている細胞の最も本質的な部分(染色体繊維)は、「非周期性結晶」と呼ぶにふさわしいもの。
 物理学で従来取り扱われてきたのは「周期性結晶」に限られていた。
 私の考えでは、非周期性結晶こそ、生命を担っている物質なのです。

 ここで「非周期性結晶」の構造をとる物質とは、おそらくタンパク質を指しているのだろう。「生命」を考える場合、多くの機能がタンパク質などの高分子が担っている場合が多い。また、染色体繊維は、デオキシリボ核酸(Deoxyribo Nucleic Acid)、いわゆるDNAを指しているのだろうが、これは、タンパク質ではない。
 しかし、通常の金属などの無生物を構成している周期性結晶(結晶格子のように周期性をもっている)と生物を構成している物質(ここではDNAを指していると思う)とは構造的に違っていることを早くもここで示している。

前回までのE.シュレーディンガー著「生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波新書 青版)」からの要約

新潟県中越沖地震情報

 地震の被害にあわれた方々に対して心よりお見舞い申し上げます。
 情報収集のため、地震情報のリンクを置いておきます。
 新潟県のサイトが一番充実しているみたいです。
 Wikipediaにもうページができていたのにはビックリ!

 7月16 日午前10 時13 分ころ、新潟県上中越沖の深さ約17km を震源とするマグニチュード(M)6.8(暫定値)の地震が発生。
 この地震により、新潟県の長岡市柏崎市刈羽村と長野県の飯綱町震度6強を、新潟県の上越市、小千谷市と出雲崎町で震度6弱を観測したほか、北陸地方を中心に東北地方から近畿・中国地方にかけて震度5強〜1を観測した。
 また、15 時37 分ころマグニチュード5.6(速報値)の余震が発生し、長岡市、出雲崎町で震度6 弱を観測した。
気象庁第3報より)

 7月16日10時13分ころに発生した平成19年(2007年)新潟県中越沖地震(M6.8、深さ約17km、最大震度6強)に伴う地殻変動が、周辺の電子基準点で検出された。
 電子基準点で検出された水平変動は、柏崎市の沿岸部で最大北西方向へ約16cm、出雲崎町立石で北東方向へ約15cmだった。
 変動量の数値については地震後3時間の観測データを使用して解析した暫定値。
 なお、電子基準点「出雲崎」については、地震の影響で傾斜した可能性があり早急に調査を実施する予定。
国土地理院 7月16日18時30分発表)